センバツ高校野球、準決勝の第1試合は滋賀の近江高校が、埼玉の浦和学院に延長11回、5対2でサヨナラ勝ちして滋賀県勢として、初めて決勝に進みました。
|123|456|789|10 11|計
浦和学院|000|200|000| 0 0|2
近江 |000|100|100| 0 3X|5
近江は2点を追う4回に5番 岡崎幸聖選手のタイムリーツーベースヒットで1点を返し、7回には、3番の中瀬樹選手がスクイズを決めて同点に追いつきました。
これまでの3試合に続いて先発したエースの山田陽翔投手は、4回に2点を失いましたが、5回以降は、相手に三塁を踏ませない安定したピッチングを続け、試合は2対2のまま延長戦に入りました。
そして延長11回、ランナー2人を置いた場面で山田投手をリードしてきたキャッチャーで8番の大橋大翔選手が、レフトスタンドへ大会13号のサヨナラスリーランホームランを打ち、近江が5対2で勝ち、滋賀県勢として初めての決勝に進みました。
浦和学院はエースの宮城誇南投手を温存し、投手リレーで相手の攻撃をかわして延長戦に持ち込みましたが、最後は3人目の金田優太投手がつかまり、9年ぶりの決勝進出はなりませんでした。
近江 勝利を呼び込んだエースの“気迫”
滋賀県勢として初の決勝進出を果たした近江高校。
デッドボールを受けて足を痛めながらも延長11回を投げ抜いたエースの気迫が勝利を呼び込みました。
それでも山田投手は続投を志願しマウンドに立ち続けました。
「エースで4番のキャプテンである自分がチームの軸だとわかっている。自分が折れるとチームもずるずるいく」
試合中は何度も手当てを受け、マウンドに向かうときは左足を引きずるなど決して万全とは言えない状態でのピッチングでした。
それでも7回に味方が同点に追いつくと、ギアをあげて気迫をみなぎらせ、延長11回までに170球を投げ抜いて追加点を与えませんでした。
この熱投に応えたのがキャッチャーとして山田投手をリードしてきた大橋選手でした。山田投手とは中学から地区の選抜チームでバッテリーを組むなど長くともに戦ってきました。
11回ウラ、ランナー2人を置いた場面で打席がめぐってきた大橋選手は「デッドボールを受けてもマウンドに立ち続ける山田投手のためにもなんとかしたいと思った」と2球目の変化球を振り抜くと打球はレフトスタンドに届くサヨナラスリーランホームランとなりました。
多賀章仁監督も試合後「山田投手に引っ張られてひとりひとりが大きく成長している。まさかあの場面でホームランが出るなんて野球は本当に面白いスポーツです」と涙を流して選手の成長をたたえました。
近江 エース山田 決勝は“116球”まで
山田投手は、今月25日に行われた福島の聖光学院との2回戦で87球、28日
の金光大阪高校との準々決勝で127球を投げていて、この6日間での球数の合計が384球になりました。
高野連=日本高校野球連盟はピッチャーの肩やひじのけがを防ぐために1週間で投げられる球数を500球以内と制限しています。
このため31日の決勝で、山田投手が投げられるのは116球に到達した時点で対戦しているバッターまでに制限されます。
近江 多賀監督「気迫のピッチングには涙が」
決勝進出を決めた近江の多賀章仁監督は「山田投手のデッドボールを受けてからの気迫のピッチングには涙が止まりませんでした。すごい男だなと感動しました」と涙を見せながら話していました。
また、大橋選手の打ったサヨナラスリーランホームランについては「しっかりと山田投手を助ける本当に見事なホームランでした」と話していました。
近江 山田「日本一へチーム一丸で向かいたい」
近江のキャプテンで延長11回を完投したエースの山田陽翔投手は「変化球をしっかり低めに集めて投げ分けることができたので、相手に的を絞らせませんでした。ミーティングでみんなに『強気でいこう』と伝えていて、キャプテンの自分が引くわけにいかないので、どんどん強気にいきました」と述べました。延長11回の大橋大翔選手のサヨナラスリーランホームランについては「大橋なら打ってくれると思っていました」と笑顔でたたえていました。
また、山田投手は5回に左足にデッドボールを受けましたが「痛みはあるのであすの決勝に備えて休みたい。投げられるのであれば、投げさせてもらいたいし、ここまで来たので、目標の日本一へチーム一丸で向かいたい」と決勝に向けて意気込みを見せていました。
近江 大橋「初めて柵越えのホームラン」
延長11回にサヨナラのスリーランホームランを打った、キャッチャーの大橋大翔選手は「山田投手が170球も投げていたので、なんとかしたいと思っていました。とにかく後ろのバッターにつなぐことだけを考えて、インコース寄りの変化球を打ちました。打ったときはスタンドに入ったかわかりませんでしたが、一塁を回ったあたりで歓声が聞こえて、小学校で野球を始めてから初めて柵越えのホームランを打って、ダイヤモンドを1周し気持ちよかったです」と喜んでいました。
また、2失点で完投した山田陽翔投手に対して「デッドボールを受けたあと
ストレートを投げるときに、踏み出す足が踏ん張れず高めに浮いていたので、スライダーを増やして低めのボールでゴロを打たせようと思ってリードしました。痛みはあったと思いますが、自分が抑えるという気持ちを前面に出して踏ん張って投げてくれました」とたたえていました。
浦和 森監督「夏につながるいい試合」
浦和学院の森大監督は、30日の投手リレーについて「準決勝はエースの宮城投手以外のピッチャーでつないで勝つと、子どもたちに事前に伝えていました。しっかり頑張ってくれました」と話していました。
そのうえで「最後まで浦和学院らしい野球をしてくれました。超攻撃野球をうたっていますが、それ以外にも走攻守、最後までやりきっていて、夏につながるいい試合でした」と振り返りました。
また、延長11回を1人で投げ抜いた相手のエース、山田陽翔投手については「ボールを多く投げても質が落ちないのは、さすが世代トップのピッチャーだと感じました。デットボールが当たったあとから、彼のギアが上がって、
気迫がすごかったです。同じ野球人として感動しました。最後に競り負けたのは、気迫が上だったからだと思います」とたたえていました。
浦和 八谷「夏までにレベルアップを」
埼玉の浦和学院のキャプテン八谷晟歩選手は、相手のエース山田陽翔投手について「終盤に崩れると思っていたのですが、気迫が強くなり圧倒されてしまいました。3試合投げ抜いた疲労を感じさせない魂を打席で感じました」と話しました。
そのうえで、チームの課題について「これまでバッティングを強化してきましたが、打たなければいけない時に打てませんでした。守備は、いいプレーがあったので夏までにはもっとレベルアップをしていきたいです」と話していました。
【試合経過】
【1回表】浦和学院の攻撃
1番:小林 ライトフライ(1アウト)
2番:伊丹 センターフライ(2アウト)
3番:金田 ライト線ツーベースヒット
4番:鍋倉 空振り三振(3アウト)
【1回裏】近江の攻撃
1番:津田 レフト前ヒット
2番:横田 送りバント(1アウト二塁)
3番:中瀬 ショートゴロ(2アウト二塁)
4番:山田 レフトフライ(3アウト)
【2回表】浦和学院の攻撃
5番:高山 空振り三振(1アウト)
6番:八谷 レフトフライ(2アウト)
7番:三宅 レフトフライ(3アウト)
【2回裏】近江の攻撃
5番:岡崎 セカンドゴロ(1アウト)
6番:西川 センター前ヒット(1アウト一塁)
7番:川元 ライトフライ(2アウト一塁)
8番:大橋 ショートゴロ(3アウト)
【3回表】浦和学院の攻撃
8番:浅田 セカンドゴロ(1アウト)
9番:大内 ファーストライナー(2アウト)
1番:小林 センターフライ(3アウト)
【3回裏】近江の攻撃
9番:清谷 キャッチャーへの内野安打(ノーアウト一塁)
1番:津田 空振り三振(一塁ランナー盗塁失敗 2アウト)
2番:横田 ショートゴロ(3アウト)
【4回表】浦和学院が先制 浦和学院2-0近江
2番:伊丹 ショート内野安打(ノーアウト一塁)
3番:金田 ライト前ツーベースヒット(ノーアウト二塁三塁)
4番:鍋倉 ファースト強襲のタイムリーヒット(ノーアウト一塁三塁)
5番:高山 ライト前タイムリーヒット(ノーアウト一塁二塁)
6番:八谷 送りバント(1アウト二塁三塁)
7番:三宅 サードライナー 三塁ランナー戻れずダブルプレー(3アウト)
【4回裏】近江が1点を返す 浦和学院2-1近江
3番:中瀬 フォアボール(ノーアウト一塁)
4番:山田 ライトフライ(1アウト一塁)
5番:岡崎 左中間タイムリーツーベースヒット(1アウト二塁)
6番:西川 レフトフライ(2アウト二塁)
7番:川元 フォアボール(2アウト一塁二塁)
8番:大橋 空振り三振(3アウト)
【5回表】浦和学院の攻撃
8番:浅田→(代打)喜屋武 空振り三振(3アウト)
9番:大内 見逃し三振(2アウト)
1番:小林 ピッチャーゴロ(3アウト)
【5回裏】近江高校の攻撃
9番:清谷 レフトフライ(1アウト)
1番:津田 セカンドライナー(2アウト)
2番:横田 フォアボール(2アウト一塁)
3番:中瀬 フォアボール(2アウト一塁二塁)
4番:山田 デッドボール(2アウト満塁)
(山田の左足首付近にデッドボール。立ち上がれず治療のためベンチへ)
(山田の臨時代走は津田)
浦和学院がピッチャー交代。ショートを守っていた金田がマウンドへ。
5番:岡崎 センターフライ(3アウト)
【6回表】浦和学院の攻撃
2番:伊丹 セカンドゴロ(1アウト)
3番:金田 レフト前ヒット(1アウト一塁)
4番:鍋倉 レフとフライ(2アウト一塁)
5番:高山 フォアボール(2アウト一塁二塁)
6番:八谷 空振り三振(3アウト)
【6回裏】近江の攻撃
6番:西川 ピッチャーゴロ(1アウト)
7番:川元 センターへツーバースヒット(1アウト二塁)
8番:大橋 送りバント失敗 二塁ランナーがアウト(2アウト一塁)
9番:清谷 セカンドゴロ(3アウト)
【7回表】浦和学院の攻撃
7番:三宅 空振り三振(1アウト)
8番:大勝 ピッチャーゴロ(2アウト)
9番:大内 センターフライ(3アウト)
【7回裏】近江の攻撃 浦和学院2-2近江
1番:津田 センター前ツーベースヒット(ノーアウト二塁)
2番:横田 送りバント成功(1アウト三塁)
3番:中瀬 スクイズ成功 三塁ランナーがホームイン(2アウト)
4番:山田 空振り三振(3アウト)
【8回表】浦和学院の攻撃
1番:小林 ショートゴロ(1アウト)
2番:伊丹 見逃し三振(2アウト)
3番:金田 空振り三振(3アウト)
【8回裏】近江の攻撃
5番:岡崎 ファウルフライ(1アウト)
6番:西川 デッドボール(1アウト一塁)
7番:川元 レフトフライ(2アウト一塁)
8番:大橋 一塁ランナーが盗塁に失敗(3アウト)
【9回表】浦和学院の攻撃
4番:鍋倉 セカンドゴロ(1アウト)
5番:高山 レフトフライ(2アウト)
6番:八谷 レフトフライ(3アウト)
【9回裏】近江の攻撃
8番:大橋 センターフライ(1アウト)
9番:清谷 ライトフライ(2アウト)
1番:津田 ファウルフライ(3アウト)
【延長10回表】浦和学院の攻撃
7番:三宅 空振り三振(1アウト)
8番:大勝 ライト前ヒット(1アウト一塁)
9番:大内 空振り三振(2アウト一塁)
1番:小林 セカンドゴロ(3アウト)
【延長10回裏】近江の攻撃
2番:横田 ショートゴロ(1アウト)
3番:中瀬 フォアボール(1アウト一塁)
4番:山田 セカンドゴロ ダブルプレー(3アウト)
【延長11回表】浦和学院の攻撃
2番:伊丹 ショートゴロ(1アウト)
3番:金田 ショートゴロ(2アウト)
4番:鍋倉 ピッチャーゴロ(3アウト)
【延長11回裏】近江の攻撃
近江は1アウト一塁二塁からここまでノーヒットの8番 大橋がスリーランホームランを打ちサヨナラ勝ちしました。
6番:西川 3バント失敗(1アウト一塁)
7番:川元 レフト前ヒット(1アウト一塁二塁)
8番:大橋 レフトへサヨナラスリーランホームラン
【試合終了 浦和学院2-5×近江】
<先発メンバー>
1番センター:小林聖周
2番ライト:伊丹一博
3番ショート:金田優太
4番ファースト:鍋倉和弘
5番キャッチャー:高山維月
6番サード:八谷晟歩
7番レフト:三宅流架
8番ピッチャー:浅田康成
9番セカンド:大内碧真
【近江(後攻)】
1番セカンド:津田基
2番ショート:横田悟
3番サード:中瀬樹
4番ピッチャー:山田陽翔
5番ファースト:岡崎幸聖
6番センター:西川朔太郎
7番レフト:川元ひなた
8番キャッチャー:大橋大翔
9番ライト:清谷大輔
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2022-03-30 08:54:06Z
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