ロッテ佐々木朗希投手(20)が5回2安打無失点9奪三振の快投を見せた。最速は自己タイの163キロをマーク。開幕に向けて順調に段階を踏んだ。

2回、中村晃から空振り三振を奪った球が163キロを表示した。長いイニングを投げる指示があった中でも、安定して160キロを超える。佐々木朗のすごみが前面に出た。この試合最初の1球は160キロ。そこから161キロ、162キロと上げていった。立ち上がりの1回に投げた直球は7球すべてが160キロ超え。5イニング連続で160キロ以上をマークする安定した内容だった。1回には三森から三振を奪ったフォークですら149キロの高速表示。帽子を飛ばし黒髪をなびかせながら、躍動感あふれるフォームと規格外のスピードでソフトバンク打線を封じ込めた。

試合前、いつも通りの念入りな柔軟から入った。ソフトバンクの打撃練習を見ながら、三塁側ファウルゾーンでまず下半身をほぐす。大きく股を広げ、股関節の可動域を確かめるようにストレッチを繰り返す。柳田が練習の打席に立ったころから上半身の柔軟に移行し、時折、特大の打球を目で追った。入念な準備が、快速球を支える。

この日の登板を前に「さまざまなシチュエーションがあると思うので、いろいろ試していけたらと思います」と話した。2月26日の西武戦では3回を完全投球。しかも7つが三振という内容。ぜいたくな悩みだが、走者を置いた状況などでの登板がかなわなかった。開幕に向けてクイックモーションや塁状況に応じた打球処理など、チェックしておきたい項目がいくつかあった。3回、先頭のリチャードに中前打を許すと、自己テストの機会を得た。けん制のそぶりなどで走者を封じながら、打者・川瀬にはバントのバットすら空を切る159キロの強い直球を投げ込んだ。追い込んでからの145キロフォークでファウルを誘いスリーバント失敗。そこから3者連続三振で切り抜けた。

4回、先頭の三森を四球で出しても、2度のけん制と投球間隔を変える工夫で簡単にはスタートを切らさなかった。結局、盗塁死で走者がなくなると、後続の柳田、グラシアルを連続三振に仕留めた。

昨年のオープン戦はZOZOマリンでの中日戦に1イニング投げただけだった。今季の佐々木朗は準備段階からして明らかに違う。1軍のローテーション投手として戦える形でシーズン開幕が迎えられそうだ。

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