大相撲秋場所限りで現役を引退し、年寄「間垣」を襲名した横綱白鵬(36=宮城野)が、厳しい意見を呈してきた横綱審議委員会(横審)について言及した。1日、東京・両国国技館で行われた引退会見に出席。過去に肘打ちとも呼ばれるかち上げなどの荒々しい取り口、万歳三唱などの行動で波紋を呼び、横審から酷評されることもあったことについて話した。

「横綱になりたての頃は自分の理想の相撲、『後の先』を追い求めていた時期もあった。最多優勝を更新してからケガに泣き、横審の先生の言葉通りに直した時期もあったし、それを守った場所もあった。だけどまた、たび重なるケガで理想の相撲ができなくなったのは反省していますし、自分も残念に思っています」と語った。

NHKの藤井康生アナウンサーから「横綱なりの辛さもあったのでは?」と問われると、少し間を置いて「途中つらい部分もあったけど、綱を長く張ることが何かできるんじゃないかという思いもあった」と説明。それは将来のある子どもたちのためだったという。

「子どもたち、世界の子どもたちに相撲に興味を持ってもらいたい、それが現役を続けたいという思いもあった。最多優勝を更新して目標を失う悲しさもあったが、目標があればあるほど将来の子どもたちのためになると思って頑張った」と明かした。

1日の午後3時から始まった引退会見の様子は、日本相撲協会公式YouTubeチャンネルで生配信された。