12月22日、代々木第一体育館で開催された全日本選手権男子フリーの結果を予測できた者は、おそらくほとんどいなかったのではないだろうか。
4年ぶりに出場する全日本選手権では、羽生結弦が楽勝して5度目のタイトル。GPシリーズでは不調だった宇野昌磨がどこまで復活しているかによって、2位、3位は決まる。
大方の関係者がそう予想していたこの大会だったが、宇野が優勝、羽生が2位、そしてジュニアの鍵山優真がSP7位から逆転して3位という最終順位に終わった。
宇野、ほぼノーミスのフリー。
最終順位だけではなく、予想外だったのはその内容である。
今シーズンのGPシリーズフランス大会では、これまで見たことのないような不調な演技でキス&クライでは涙を見せた宇野昌磨。その後スイスでステファン・ランビエルの元でトレーニングを開始し、ロシア杯では復活の兆しを見せた。
それにしても、わずか2カ月足らずの間に、ここまで戻してくるとは、誰が予想しただろう。
フリーでは4フリップ、4トウループ、3アクセルと次々きめていき、4つ目のジャンプの3ループでは手をついた。だがそれ以降、4+2トウループ、3サルコウ+3トウループ、3アクセル+1オイラーの次につけたフリップが1回転になったものの、ノーミスの演技。フリー184.86、総合290.57という結果が出た。
「外部の客観性を必要としていた」
「ぼくのところに来た時に、ショーマが最も必要としていたのは、サポート。それも身近でありながらも、外部の客観性を必要としていたと思う」
こう説明したのは、年明けから正式に宇野のコーチに就任することになったステファン・ランビエルだ。
「ぼくは強化合宿でこれまで何度もショーマを指導したことがあり、またアイスショーで共演したこともある。だからその意味ではきっと彼も気持ち的に楽だったのではないでしょうか」
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2019-12-24 10:00:00Z
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