岩手大会準々決勝。最速163キロを誇る大船渡の佐々木朗希(ろうき)(3年)が久慈戦でマウンドに立つことはなかった。前日の盛岡四戦で12回を1人で投げ切り、194球を投じていた。
一発勝負の夏。エースで4番を出さずに負けるのは、怖い。まして、佐々木は高校球界を代表する逸材。他の選手も含め、「全力を出せた」と納得できないかもしれない。それでも、国保監督は「それは終わった時にしか分からない。ケガも怖いので」。最後まで起用せず、延長十一回、6―4で競り勝った。
高校球児の肩やひじを故障から守るために投球数制限の議論が進み、「投げすぎ」や「連投」には厳しい視線が向けられる。一方で、厳しい大会日程をこなして勝ち上がることと、選手の負担軽減の両立は難しい。敗れた久慈の柴田監督は「投手の体を考えれば、今日の登板はないと思います。勇気のある判断」と大船渡の選択をたたえた。
連投を避けた佐々木は、中2日の登板間隔で24日の準決勝を迎えられる。「完全休養」という思い切った決断が、大船渡の夏を長いものにするかもしれない。(小俣勇貴)
朝日新聞社
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2019-07-22 11:40:00Z
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