三振では何も起こらんよ…。阪神が今季11度目のゼロ封負けで連勝が4でストップした。4回1死二、三塁の好機に4番大山悠輔内野手(29)、5番佐藤輝明内野手(25)が2者連続三振。岡田彰布監督(66)も「三振は何も起きないって言うてるやんか」と怒りを通り越してあきれモードだ。佐藤輝の今季2度目となる4三振などでチームは12奪三振。クルクルとバットが回って順位は3位から4位に後退した。

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最大の好機で、頼みの主軸2人のバットが空を切った。岡田監督はもう言い飽きたとばかりの口ぶりだった。

「三振は何も起きないって言うてるやんか。それが4番5番やねんから、しゃあないわのう。4番5番に聞いてもらわんと、俺は分からへんよ、そんなん」

防御率0点台の中日高橋宏に大苦戦。4回、先頭近本の四球と中野の内野安打でつくった無死一、二塁は、やっと開いた突破口だった。前川が投ゴロで二、三塁と広げたが、主砲2人が続けない。4番大山が低めスプリットに空振り三振。内野が下がる「1点OKシフト」で、ボールをバットに当てさえすればという場面だった。さらに続く5番佐藤輝はフルカウントまで粘るも、同じくスプリットに空振り三振を喫した。

指揮官は「1回しかチャンスがなかったわけやから、そこでゴロでもバット当てたらええねん。当たらんやったらどうしようもないわな」と苦々しく話した。大山は無言で球場を後にし、プロ5度目、今季2度目の4三振を喫した佐藤輝は「相手がいいところに投げてきていた。なかなか甘い球がこなかった。投手が良かったです」と完敗を認めた。

佐藤輝は7回2死で迎えた第3打席では、内角低めの154キロ直球に見逃し三振。きわどいボールに思わず苦笑いし、天を仰いで立ち尽くした。そんな姿も岡田監督を逆なでした。「ストライク言うたらストライクでしゃあないやん、そんなん言うても。え? そんなん、ちょっと文句言うたりな、それやったらやればいいやん。アピールだけじゃなんにもない」。なんとか打開するために「ほんならファウルしたらええやんか。(ストライクゾーン)広いんやったら」と続けて注文をつけた。

打線全体も12三振を喫し、今季11度目の完封負け。3安打以下に抑え込まれたのは、巨人戸郷にノーヒットノーランを許した5月24日以来だった。コールド試合をのぞけば、9イニングでは今季最短タイの2時間18分ゲーム。寂しい思いで帰った尾張の虎党を、2戦目は猛打で満足させたい。【磯綾乃】

▼佐藤輝の1試合4三振以上はプロ5度目。今季4月24日DeNA戦4三振以来だが、このときの第5打席は二塁併殺打だった。全打席で三振しての4三振以上は、21年6月8日日本ハム戦の4打席4三振、同7月4日広島戦の5打席5三振に次ぎ3度目となった。