「鬼メニューなし」で大会新-。大阪国際女子マラソンを大会新記録の2時間21分11秒で初制覇した一山麻緒(23=ワコール)が1日、大阪市内で一夜明けの記者会見に臨んだ。野口みずきが持つ2時間19分12秒の日本記録更新を目標に臨んだが、結果は119秒届かず。好記録だったが「あまり感想は変わっていなくて悔しい。『ここをもっとこうしていこう』とかを見つけ、今後につなげていきたいです」と振り返った。

舞台裏では難しい調整を強いられていた。年末に体調を崩し、約5日間は歩くことすらできず、食事も流動食でとった。

会見に同席した永山忠幸監督(61)は「根本的に一山くんが苦しい練習に取り組む期間、12月23日~31日に予定していた練習メニューを完全休養でできていない。『鬼メニュー』に取り組ませていません。その後の練習を見ると(体調不良明けで)全ての練習が一山くんにとって鬼メニューだった。それぐらい状態が上がってこなかった」と明かした。

続いてマイクを握った一山は「いやあ、鬼でしたよ」と第一声。それでも理想と現実のギャップは自覚しており「メニューはレベルアップしていたんですが、今回はこなすことができていなかったです。これからもっときつくなると思ったら怖いですけれど、頑張ります」と力を込めた。

2月に入り、札幌開催の五輪レースまで残り半年と少し。終始笑顔だった一山は「期間は十分にあるなと思っています」と力を込めた。永山監督は「どのような環境でも自分たちの目標をしっかりと結果として残せるように、これからの半年間のプランはいま一度見直したい」。伸びしろを実感する「チーム麻緒」は、次の大きな目標へ向かう。【松本航】