9日夕、取材に応じた村井チェアマンは「今回、本当に大きな意思決定になるが、波及範囲は広範囲にわたる。楽しみにしているファン・サポーターは数多くおり、プロスポーツは非常に興行、ビジネスとして裾野が広い。飲食関係、公共交通、宿泊関係、警備関係、さまざまな方々に支えられている中、延長の意味合いは非常に重い」と苦渋の決断だったことを明かした。
一方、Jリーグとクラブは4月3日からの公式戦開催を目指すべく、6つのレイヤーで対応策を取り決めたという。まずは①国民の健康が第一だということを前提に、②スポーツが継続していくということ。「最大限の範囲で全ての試合ができることを努力していこう」という意識を共有した。
その上で「ギリギリで戦う選手たちを後押しするのはファン・サポーターの声である」ことを踏まえ、「①と②のレイヤーをお客様と一緒に乗り越える」という③のレイヤーを設定。体温管理や飛沫防止などサポーターに協力を要請する一方で、無観客試合は原則的に行わない方針を示した。
それでも④のレイヤーとして、政府による特措法に盛り込まれるとみられる「緊急事態宣言」の発令次第では「その場合は無観客試合を想定しなければならない」とした。また⑤のレイヤーでは選手に感染者が広がった場合、「隔離してベンチ入り18人が構成できない場合、試合を抜本的に日程調整しなければならなくなる」という展望も示した。
現状の4月3日開催案では、リーグ戦やカップ戦を現行フォーマットのまま行う予定となっており、ミッドウィークに試合を詰め込むことで延期分を消化する見込みだ。しかし、それ以降に延期が行われることになった場合は東京オリンピック期間中、国際Aマッチデーに試合が行われる可能性もあるという。
加えて日本全体にウイルスが蔓延し、全国に緊急事態宣言が発令されると、試合開催ができずにリーグ戦やカップ戦の全日程を終了できないケースもあり得る。その場合は⑥のレイヤーとして、今後発足する日程調整の委員会で「その時点での試合で判定するのか、昇降格はどのような扱いにするのか等々を抜本的に考える」とした。
(取材・文 竹内達也)
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2020-03-09 12:43:41Z
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