黄金ルーキーが連敗を止めてみせる。日本ハムは投打とも振るわず、中日2回戦(ナゴヤドーム)に完敗。3カード連続で負け越しが決まった。交流戦最終戦となる23日中日戦はドラフト1位の吉田輝星投手(18)がプロ2度目の先発に臨む。12日広島戦で鮮烈なデビューを果たした将来のエース候補が、戦線離脱した先輩上沢への思いも胸に、チームの救世主となる。

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プロ2度目の先発を前に、吉田輝はナゴヤドームでいい緊張感の中、汗を流した。初登板初先発初勝利を挙げた12日広島戦の登板前に比べて「高ぶる感じはしない」と平常心を強調しながら、自ら力強い言葉を続けた。

吉田輝 今回は上沢さんが抜けてしまったので…そういう(カバーしたい)気持ちはすごく強い。

エース上沢が左膝蓋(しつがい)骨骨折で今季絶望となった。吉田輝は1軍合流後、同じ先発投手ということもあり、積極的にコミュニケーションを取っていた。「投げない日の調整の仕方などを教わりました」と優しさにも触れ、お世話になってきた。

突発的なアクシデントでチームを離れざるを得なくなった先輩のために、そしてチームに空いた大きな穴を埋める-。強い思いがある。まだ1勝、まだ18歳…というのは関係ない。率直に、持てる力を振り絞っていく覚悟を示した。

チームは交流戦後半から失速している。この日も中日に圧倒されて完敗し、3カード連続で負け越しとなった。投打がかみ合わない試合が続く逆風の中で、マウンドに向かう背番号18は「直球は、自分の納得のいくボールを投げたい」と意気込んだ。ストロングポイントは力のある真っすぐ。前回登板と同じように、長所を前面に出しながら立ち向かうつもりだ。

22日はブルペンでショートピッチングを行うなど最終調整した。「しっかりとしたライン(軌道)も出ていた。ストレートが良くなるにつれて変化球も良くなっている」と手応えもある。勝てば、球団の高卒新人投手では05年ダルビッシュ以来のデビューから2戦2勝となる注目の舞台。勝ち気なドラ1右腕が、歴史的快投でチームの連敗を止め、交流戦を締めくくる。【木下大輔】